女性のがんについて
子宮頸がんってどんな病気?
子宮頸がんは子宮の入口にできるがんのことです。子宮頸がんの前の段階では、おりものや出血、痛みなどの自覚症状がありません。腟に近い側にできた場合には、婦人科での観察や検査がしやすいため発見されやすくなりますが、より奥の筒状の部分にできると発見が難しいこともあります。早期に発見すれば比較的治療しやすく予後の良いがんですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要です。
どんなことが原因でかかるの?
主にヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。HPVは性交渉での感染がほとんどで、性交渉の経験のある女性は誰でも感染する可能性のあるウイルスと言われています。近年では、発症年齢のピークが20~30代の出産年齢と重なっています。
発症するとどんな症状がでるの?
子宮頸がんが進行すると、月経中でないときや性交時の出血、においを伴う濃い茶色や膿のようなおりもの、水っぽいおりものや粘液がたくさん出るなどの症状がみられることがあります。
がんが子宮の外に広がると、多量の出血、骨盤や下腹部、腰の痛み、尿や便に血が混じる、下肢のむくみなどの症状が出ることもあります。少しでも気になる症状があるときには、ためらわずに婦人科を受診しましょう。
子宮頸がん検診って
どんなことをするの?
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問診
次の3点を事前チェックしておきましょう。
①最終月経日
(前回の月経の始まった日)
②月経周期
(月経開始日から次の月経開始日の前日までの日数)
③月経の持続日数
※月経の記録や基礎体温表をつけていれば、持って行きましょう。 -
診察
子宮の入口(頸部)の細胞を調べます。
内診台に横になり小さい専用の器具を入れて、子宮頸部の細胞を採取しますが、痛みはほとんどありませんし、時間もかかりません。
緊張せずリラックスして受けましょう。
- 当日の持ち物
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- 健康保険証(マイナンバーカード)
- 市町から届いた受診券(又は無料券)
- ナプキン、ティッシュ
- 検診におすすめの服装は?
- 下着をとって診察しますので、ゆったりとしたスカートなどがよいでしょう。スカートやワンピースは内診台に上がるまでの間、下半身を隠すことができるのでおすすめです。また、少し出血することもあるため、ナプキンがあると便利です。
乳がんってどんな病気?
乳がんは乳腺の組織にできるがんで多くは乳管から発生しますが、一部は小葉から発生します。また、乳腺以外の乳房の組織から発生することもあります。進行すると、がん細胞は周りの組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れなどに乗って転移することもあります。転移しやすい場所は乳房近くのリンパ節、骨、肝臓、肺、脳などです。
発症するとどんな症状がでるの?
乳がんの主な症状は乳房のしこりです。自分で乳房を触ることで気付く場合もあります。ほかには、乳房にくぼみができる、乳頭や乳輪がただれる、左右の乳房の形が非対称になる、乳頭から分泌物が出るなどがあります。
乳房のしこりは、乳腺症など、乳がん以外の原因によって発生することもあります。気になる症状がある場合は、早めに乳腺科、乳腺外科などで乳腺専門医の診察を受け、早期発見につなげましょう。
乳がん検診って
どんなことをするの?
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視診・触診
視診では乳房のくぼみやただれの有無、乳房の形の左右差、乳頭からの分泌物の有無を目で見て観察します。触診では、指で乳房からわきの下を触って、しこりの有無を確認します。しこりがある場合は大きさ、硬さ、動き方などを確認します。
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マンモグラフィ
マンモグラフィは、病変の位置や広がりを調べるために行う乳房専用のX線検査です。乳腺の重なりを少なくするために、2枚の板の間に乳房を挟んで圧迫し、薄く伸ばして撮影します。
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超音波(エコー)検査
超音波検査は乳房内の病変の有無、しこりの性状や大きさ、わきの下など周囲のリンパ節への転移の有無を調べるために行われる検査です。超音波検査では乳腺は白く、乳がんの多くは黒く写るため、マンモグラフィで高濃度乳房とされる場合では、超音波検査のほうが乳がんの発見に役立つことがあります。また、放射線による被ばくがないため、妊娠中でも検査が可能です。